その25 一時帰宅とセカンドオピニオン
もうすぐ退院という日が近づいてくると、「一時帰宅」の許可がでます。
二泊三日で家に帰るのです。
病院からでて歩いていると、体に力が入らなくなっているのがわかります。
「ああ、一日中寝ていると、こんなにも体力が低下してくるんだな」
「元気があたりまえ、体力があってあたりまえ」という自信のようなものが揺らいでくるのを感じました。
子供は父がいると嬉しいらしく、くっついて歩き離れません。それは父として嬉しいのですが、なんだかとっても疲れてしまいます。体力の衰えを実感してしまいました。
でも疲労を感じるのは当たり前の感覚なんですよね。
また、病院内でセカンドオピニオンを求めたのもこの頃でした。
「なぜ、ガムシャラに働いてはいけないのか」
そこは、やはり納得できない部分がどうしてもあったのです。
「『ちゃらんぽらん』になってください。『ちゃらんぽらん』に生活するくらいがちょうどよい加減なのですよ。あなたの主治医の先生はそれを伝えたいのだと思います」
ちゃらんぽらん・・・
なんだか妙に腑におちました。
実際、一時帰宅をしても力は入らないし、いくら力んでも思うように力を発揮できない・・・
あきらめがついたというか、ダラダラとした生活に体がになじんだというか・・・
それ以後は病院内の生活もだいぶ落ち着いていました。
そんな日々をすごしつつ、退院の日を迎えます。