その17 仕事へのしがみつき
その17 仕事へのしがみつき
2度目の休職中、上司が医師を訪ねてくれたようです。
「体調がずいぶん悪いようだが、具合はどうなのか?」
「今のようにストレスが大きい職種が本人の負担になっていないか?」
「本人の配置転換は症状の改善に効果があるか?」
そのようなことを訪ねてくれたようです。
こうして気遣いしてくれたことは、とても感謝しています。
今にして思えば職場に恵まれていたのです。
でも当時の私はそれがわかりませんでした。
「配置転換」という言葉が上司から出たことに大きくショックを受けてしまいました。
仕事って当時の自分にとってはとても大切なもので、会社の中でのポジションを失くしてしまうと人生の生きがいそのものを失くしてしまう・・・当時の私はそんなことを思っていました。
うつ状態のときにはとにかく自信がないのです。
頼りない自身を補強するために、「様々なもの」にしがみつきがおこります。
人によってはお酒だったり、ギャンブルだったり、得意なスポーツだったりするのですが、仕事にしがいついて
離れなくなることもよくあります。
仕事量をセーブして、リハビリをすればいいのですが、どうしても無理に仕事をすることによって自信を補強しようとするのです。
うつ状態になると、視野がどんどん狭くなります。
家族や職場の好意や親切にも背をむけてしまいがちです。
こうした視野の狭さも手伝って、結局私はうつ状態を長引かしていたのでした。
私は再度復帰を希望、また再度の復帰を果たします。