その12 ポッキリと折れる。
あれは、夏の暑いでした。
私はオフィスビルにあるコーヒーショップでコーヒーを飲みながら、同僚と仕事の打ち合わせをしておりました。
打ち合わせは滞りなく進み、談笑していたところ、突然気分が悪くなったのです。
グッと胸がつかえるというか・・・
一瞬目の前が真っ暗になりました。
私は急に話をするのが苦しくなり、その場にいることが辛くなりました。
会話の途中で突然「ゴメン、帰る」と言って怪訝そうな顔をする同僚を置いて、一人でいられる場所を探しに出かけました。
オフィスビルの前にはちょっとした公園があり、そこの日陰のベンチでぼんやりとしていました。なんだか冷や汗が流れてきています。
普段「人と接すること」には慣れているはずの自分、「なぜ急に対人恐怖症みたいになってしまったんだろう・・・」
自分のことなのに驚いてしまいました。
突然コントロール感覚を失くしてしまったというか・・・
すこし気分が落ちついても、夕方までベンチでぼんやり過ごし、それから帰社し、ほうほうのていで家に帰りました。
この出来事が私の「うつとの闘い」の始まりだったのです。