その10 げっそりと痩せる
子会社への転籍の命令にも、私は淡々としていたと思います。
「負けるが勝ち」というかなんというか・・・「怒り」をあらわにするでもなく、
「不安」にさいなやまされることもなく、比較的穏やかな日々を過ごしていたかもしれません。
ある日、会社から「転籍についての説明会」がありました。
そこに出かけていった私は久しぶりにお世話になっていた先輩にお会いしました。
先輩の第一声はひとこと・・・
「お前、ずいぶん痩せたな。どこか悪いのか?」
「えっ!」と思いました。
自分では全然自覚がなかったのです。
食事は普段通り食べているし(人並み以上に食べていた)、何か具体的な体調不良があったわけではなし・・・
とても意外な気がしましたが、言われてみると「そうかな」という感じでした。
心身の不調は自分自身ではなかなか気がつかないもの。
今にして思えば、それが「うつ」の第一歩だったかもしれません。