その8 子会社へ出向する
ボチボチと仕事をしていたある日、辞令がおりました。
新しく発足された子会社に出向するようにということでした。
出向先の部署は清涼飲料水自動販売機の新規開拓担当。
飛び込みをメインに自動販売機の設置先を増やしていく仕事です。
出向したと同時に、私はかなり意欲的に仕事に取り組みはじめました。
新規開拓担当は長い間希望していた部署であり、出向先とはいえ、自分の希望がかなったのです。
出社後、朝8時には会社を出発、飛び込みを一日30軒から40軒くらいはこなしていたでしょうか。
商品パンフレットを入れたカバンだけをもち、オフィスやら商店街やらを一日歩きながら訪問します。
帰社後に見込み客の整理をしたり、企画書を作成してみたり・・・
体力的には大変で忙しい毎日でしたが、気持ちに張りがあり、充実した日々を送っておりました。
一生懸命やっていれば営業成績も自然とあがってきます。
妻との死別後、やっと充実した日々がめぐってきたことを感じていました。
ところがある日、予想もしていなかった大きな事件がありました。
それはサラリーマン生活を一変させる出来事でした。